テンポアドバンテージがなぜ一番重要なのか?それはこのゲームの特質にあります。このゲームでは以下のようなルールが存在しています。

1、ユニットはコストを支払わなければ勝利条件にたどり着かない。(中央エリアに移動しなければスマッシュできない)
2、勝利条件に近づくと同時にターンを失う。(スマッシュは相手の無色エネルギーになる)
3、ほとんどのカードはクイックタイミングで使用することができる。
4、ユニットは迎撃のために中央にもプレイできる。
5、無色1コストを払ってプランを作成できる。それを通常のコストを支払ってプレイすることができる。
6、ほとんどのユニットは最大で2点のスマッシュを与えることができる。

もっとも効率がいい勝ち方は、移動力とエネルギーのコストが小さなユニットを中央に3体並べて3点スマッシュ、相手のターンのエンドにユニットを出して次のターンに4点スマッシュを入れて勝つことでしょう。まず、移動のコストを最小限に抑え、残ったエネルギーでさらにユニットを出して攻め手を維持できます。また、中央にいれば中央投下された相手のユニットと確実に相打ちが取れます。しかも相手のエネルギーが増えるターンは1ターンのみ。一気に3エネルギー増えますが、こちらのユニットをすべて排除することができなければ負けることは確実です。こちらは1枚でも中央のユニットを守れれば勝ちになります。

・・・とまあこれはあくまで単純な理想論です。もちろん相手もゲームに勝とうとしていますし、使うカードによってもいろいろと動きが変わります。相手のユニットが必ず中央にプレイされるわけでもありません。

しかしながら、理想論に沿った考えでいけばディメンションゼロはテンポアドバンテージの重要度が高いゲームだということがわかると思います。この理想論に出てくるユニットはプランから用意することができますし、迎撃するにはカードパワーの差が重要になってきます。逆に手札がいくらあっても使えるエネルギーは限られてくるので1枚のカードで計画が狂えばゲームが終わってしまうことがわかります。

上記の論をテンポアドバンテージの面から見て分かりやすく説明しましょう。とりあえずユニットのコストはすべて考えないものとして、相手の行動がまったくできない状態として考えた場合です。

・ユニットをプレイすると+1のアドバンテージを得ます。

・中央にユニットをプレイして迎撃するのは+−0のアドバンテージです。

・スマッシュをすると基本的には1点につき−1のアドバンテージです。しかし、この無色エネルギーを使えないターン(7点入れられて死んだ場合)は数えられないので実際は生存してスマッシュを使えた分×ターン数のアドバンテージとなります(テンポアドバンテージに直結する行動をとることで初めてアドバンテージとして数えられます)。ユニットをプレイするなどの恒久的なアドバンテージよりは弱いものであると考えます。

・ユニットを移動させて相手のユニットを破壊する(敵軍エリアにいる相手のユニットを踏み潰す)と+1のアドバンテージになります。

・ユニットを守るのは通常+1のアドバンテージですが、タイミングしだいで+2にも+3にもなります。相手のユニットを迎撃し、かつ自分のユニットが生き残るなどすれば大きくテンポをとることができます。

・相手よりもエネルギーが多いと+1のアドバンテージです。これはターンアドバンテージの差です。これもテンポアドバンテージを稼ぐようにエネルギーを使えなかったターンはアドバンテージに数えられないので、恒久的なアドバンテージよりは弱いものです。

基本的にはこういうことになります。理想論でいけば、ユニットをプレイすることで+の差を稼ぎ、中央でユニットを迎撃されても−にはならないからテンポの差で勝つことができるのです。

この理屈がわかれば、ディメンションゼロでもっともタブーとされる行動である最序盤からの単騎スマッシュがなぜだめなのかというのも説明できます。ここでは単騎スマッシュの最高形で考えて行きたいと思います。

韋駄天丸を1ターン目にプレイするのは+1ですが
続く2ターン目に前進するところでこのターンにユニットをプレイする機会を失い、−1です。ここでは韋駄天丸の2体目が出るとしてかろうじてアドバンテージを+1取ったとします。
単騎スマッシュ。ここから相手が使った分の無色エネルギーはアドバンテージになっていきます。ユニット2体では相手が次のターンに死ぬことが間違いなくないのでこのスマッシュは永続的に−1となります。
次のターン、2体目の韋駄天丸が一歩前進してスマッシュしようとしますが、相手が4エネパワー5000のユニットを自軍エリア・韋駄天丸の前にプレイしました。これで−1です。スマッシュは2点入りましたが、韋駄天丸は次のターン間違いなく破壊されます。
相手のターン、まず韋駄天丸がユニットの移動で破壊されてしまいます。これで−1です。トロール流砲撃術があったとすればかろうじて+−0。そして手札をすべて空にして3体目の韋駄天丸をクイックプレイで+1。
問題は今後のターンです。相手の手札は4枚あり、5エネルギーあります。対してこちらは中央エリアと自軍エリアに韋駄天丸が1体ずつで手札がなし。今後はプランで戦っていかなくてはいけなくなります。盤面のテンポアドバンテージは+2ですが、スマッシュの分(生存率)を考えれば−1となってしまいます。つまり相手は中央にいるユニットを排除していけばこのテンポアドバンテージを維持できてしまい、さらにユニットを展開すればテンポアドバンテージをほぼ確実に掌握することができるのです。

以上の最速・最高形の回りでもゲームに勝つことが難しいのであれば、単騎スマッシュがタブーとされている理由もわかるでしょう。

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